空路サユーンから首都イエメンに戻る。ホテルで休憩し、昼食を食べた後、お菓子のような家々が並ぶ中、まだ新しいBURT ALASALAN ホテルの最上階でお茶をし、スーク(市場)で買い物をしたり、サナア市内を散策しました。最後にイエメン門に登りました。
 イエメンの首都サナアは、海抜2300mの高地にあるため1年を通じて穏やかな気候で、ほかのアラビア半島諸国の大都市と比べると、別世界のようなさわやかさだ。もちろんサナアのよさは気候だけではない。石造りの重厚な建物とミナレットが林立する町並み、夕闇迫る町に灯るステンドグラスの宝石のような輝き、頑固そうに見えるが実は人のいいイエメンの人々。この街の虜になる旅行者が多いのもうなずける。サナアには2500年以上も前から人々の暮らしが脈々と続き、現存する町としては世界最古といわれている。1986年には旧市街が世界遺産に指定された。
 イエメンに伝わる伝説では、旧約聖書の物語「ノアの箱舟」のノアの息子、セム(サム)がサナアに最初に住み着いた人物だといわれており、別名Sam Cityと呼ばれている。現存する記録にサナアが初めて登場したのは、シバ王国の支配下にあった1世紀頃だ。その後エチオピア、ペルシャ、そしてイスラム勢力とさまざまな国の支配下に入ったが、サナアはそれらの文化や風習を吸取し、時には反発しながら歴史を重ねてきた。
 現在イエメン最大の都市であり、政治、経済、商業、文化の中心だが、サナアはなぜか都会を感じさせない。それは長い長い歴史に培われてきた町だけがもつ落ち着きなのか、のんびりとしたサナアの人々がそう感じさせるのか。それともさわやかに吹き抜ける高原の風のせいなのだろうか?
 いずれにしても、サナアほど「幸福のアラビア」の首都にふさわしい所はないだろう。












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