日替わりアプレット

07/08/12製作



イエメン観光九日目(その6)


(イエメン スーラ)

 シバームからメインロードを離れ、10分ほど山を登ると、こつこつとした岩の固まりのような村の前に到着する。長い間、部族間の争いと他民族支配への抵抗を続けてぎた山岳部族の村の典型的な形を、ここでは目にすることができる。  スーラは小高い丘の上に造られた村で、山を背に東側の斜面にある。周りは段々畑が広がり、その内側には城壁がある。この構造は戦略的に大変優れたもので、昔の人々の知恵に感心しないではいられない。まず丘の上にあり敵を発見しやすい。そして村の背は目然の要塞に守られているので、前方から来る敵を防げばよい。そして段々畑と城壁に囲まれているために、敵は攻めにくい。16世紀、強大なオスマン・トルコがイエメンを支配していたとぎも、この村は独立を保っていたというから驚きだ。もちろん今は敵に攻められることはないが、生ぎた歴史を学ぶには絶好の場所だ。  岩山に向かって城壁に沿って左に歩くと重厚な門がある。門をくぐるとすぐ右側にはモスクのドーム、正面には石造りの家が密集している。細い路地に入っていくと、大昔にタイムトリップしたかのよう。何百年も変わらない家々は細かい装飾が施されて、窓の形も丸いものもあれば四角のものあり、実にバラエティに富んでいる。窓に木の枠がはめられ、中が見えないようになっているのは女性の部屋。注意して観察するといろいろな発見がある。歩き回るだけで楽しい。



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