日替わりアプレット

2014/02/20製作



世界遺産「九寨溝の美」 (その14)


(四川省 九寨溝「五花海」


 九寨溝は石灰岩質の岷山山脈、標高3400mから2000mに大小100以上の沼が連なるカルスト地形の淡水の湖水地帯です。1970年代に、元々居住していたチベット人以外の森林伐採の労働者によって、偶然に発見されました。この地は、チベット人など少数民族の居住地としても知られ、「九寨溝」の名もチベット人の村(山寨)が九つある谷であることから付けられたものです。観光道路沿いにも3つの集落があり、そのうちの1つである樹正寨は観光地となっています。谷はY字状に分岐しており、岷山山脈から流れ出た水が滝を作り棚田状に湖沼が連なり、水は透明度が高く、山脈から流れ込んできた石灰岩の成分(炭酸カルシウム)が沼底に沈殿し、日中には青、夕方にはオレンジなど独特の色を放します。また、流れに乗って運ばれてきた腐植物が石灰分に固定され、植物が生え、独特の景観を見せます。この独特の景観は水に含まれる大量の石灰分によるところが大きいのです。棚田状の湖群をつくる堤防(石灰華段丘)は石灰分の沈積によって形成されたもので、水流の中に生育する森林という独特の景観もこうした岩に因っています。また透明度の高い湖底に沈んだ倒木にもその表面に石灰分が付着し、いつまでもその形を留めていることも独特の景観に一役買っています。
 九寨溝観光二日目の朝、日則溝の終点までバスで行く途中、五花海を見下ろす展望台で写真撮影のため途中下車。五花海の素晴らしい朝を体験しました。五花海は、日則溝エリアの中心的な観光地です。標高が2472メートルのところにある水深の平均が5メートル、総面積が7.68万平方メートルの湖です。湖底には石灰化した堆積物と多種な藻類や水草、枯れた木などがあり、日の光の反射や屈折によって赤やオレンジ、黄、緑、青、藍、紫などさまざまな色が混じっているように見えます。色とりどりで華やかで美しいです。湖面はまるで無数の宝石が嵌め込まれた巨大的な飾り物のようです。岸辺の林や湖底の倒木と湖の色が互いに引き立てあっていて、その美しさといったら比較できるものがないほどです。そのためこの湖は「五花海」と名付けられました。



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