日替わりアプレット

2014/02/01製作



世界遺産「九寨溝の美」 (その6)


(四川省 九寨溝「諾日朗瀑布」)


 九寨溝は石灰岩質の岷山山脈、標高3400mから2000mに大小100以上の沼が連なるカルスト地形の淡水の湖水地帯です。1970年代に、元々居住していたチベット人以外の森林伐採の労働者によって、偶然に発見されました。この地は、チベット人など少数民族の居住地としても知られ、「九寨溝」の名もチベット人の村(山寨)が九つある谷であることから付けられたものです。観光道路沿いにも3つの集落があり、そのうちの1つである樹正寨は観光地となっています。谷はY字状に分岐しており、岷山山脈から流れ出た水が滝を作り棚田状に湖沼が連なり、水は透明度が高く、山脈から流れ込んできた石灰岩の成分(炭酸カルシウム)が沼底に沈殿し、日中には青、夕方にはオレンジなど独特の色を放します。また、流れに乗って運ばれてきた腐植物が石灰分に固定され、植物が生え、独特の景観を見せます。この独特の景観は水に含まれる大量の石灰分によるところが大きいのです。棚田状の湖群をつくる堤防(石灰華段丘)は石灰分の沈積によって形成されたもので、水流の中に生育する森林という独特の景観もこうした岩に因っています。また透明度の高い湖底に沈んだ倒木にもその表面に石灰分が付着し、いつまでもその形を留めていることも独特の景観に一役買っています。
 今日紹介するのは、九寨溝の「諾日朗瀑布」という所です。標高2365メートルの地点にあるこの滝は、幅270メートルと中国一を誇ります。落差は20メートルあり、中国最大級の大きさの石灰岩(水に溶けている炭酸カルシウムが沈殿してできた縞状石灰岩)滝の一つです。1986年の中国中央テレビのドラマ「西遊記」のラストシーンはここで撮影されました。



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