日替わりアプレット

2013/12/06製作



世界遺産 「黄龍の美」  (その15)


(四川省 黄龍)


 黄龍は、岷山山脈の一部である玉翠山の山頂(標高約5100m)から北に向かって伸びる全長7.5kmの峡谷で、世界有数のカルスト地形です。新生代第四紀に隆起した石灰岩層が氷河に侵食されて巨大な峡谷となり、そこに石灰分の豊富な水が流れ続けた結果、石灰華の沈殿したエメラルドグリーンの美しい石灰華段(石灰華段丘とも)をはじめ、黄金色に輝く石灰華の層、そして石灰華の滝や谷が形成されました。黄色がかった乳白色の石灰華の連なりは、雪を頂いた山脈を昇ってゆく黄色い龍の姿にたとえられています。
 黄龍全体のうち、麓の「迎賓彩池」(標高3199m)から「五彩池」(標高3553m)までの約3.7kmの区間が風景区として整備されています。水の色は場所によって黄色、緑色、青色、茶色と様々に変化して見え、晴天時は日光と相まって金色に輝きます。
 車道は無く、木製の遊歩道を徒歩のみで移動します。遊歩道のうち麓に近い区間は上り用と下り用に分けられていて、往復4時間(上り2.5時間、下り1.5時間)程度の距離です。しかし、標高が高いうえ高低差が大きいことから高山病に注意する必要があり、多くの観光客が携帯用の酸素ボンベを持参しています。

  今日は黄龍 争艶池 の紹介です。争艶池は、黄龍溝の左側にあり、500余りの彩池でできていて、黄龍溝内でも最大規模の彩池群です。池の形と色彩は変化に富み、陽光を浴びて輝く姿はまさに金色の龍のようです。水の色がそれぞれに違って見えるのは、池の底の水草の色や池ごとの深さの違い、光の屈折などによって表れてくる色が違うからだそうです。どの彩池も自分が一番美しいと、艶を競っているかのようです。



inserted by FC2 system