日替わりアプレット

2012/11/14製作



ルーマニア・ブルガリアの旅第三日目@


(ブルガリア ベリコ・タルノヴォ)


 国土の東西に横たわるブルガリア最大の山脈、バルカン山脈の東部にある、人口7万弱の地方都市。ブルガリア入にも人気の観光地だ。
 森に包まれたいくつもの丘と、その周囲を蛇行するヤントラ川の切り立った崖の独特の美しさは、中央ヨーロッパでも際立ったものだ。
 どこを歩いても違う表情を見せてくれて、地図を見ているだけでは想像もできないほど立体的。自然と中世の町並みが鮮やかに溶け込んでいる。町の人からは「タルノヴォ」という愛称で呼ばれ、1187〜1393年に第二次ブルガリア帝国の首都として栄えた古都でもある。
 イヴァン・アッセン王治下の最盛期にはビザンツ帝国(東ローマ帝国)をも圧倒し、バルカン半島のほぼ全域を支配したこともあった。文化的にもこの時代は周囲をおさえ、タルノヴォで勉学を修するためにルーマニアや遠くモスクワからも留学生がやってきた。
 しかし、その帝国もアッセン王死後に衰退を始め、やがて宿敵ビザンツ帝国に屈服、1398年にはオスマン朝との3ヵ月にわたる首都攻防戦の後、ついに滅亡する。タルノヴォが再び脚光を浴びるのは、500年にわたるトルコ支配からの独立を達成した1879年になってから。新生ブルガリア王国の最初の国会がこの町で開かれたのだ。
 どのような歴史を経ようとも、タルノヴォの美しさは現在も変わらない。石畳の坂道を歩きながら、町が刻んできた歴史のつひとつが味わえる。



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